貴志祐介のSF・ホラー・ファンタジー 『新世界より』
神栖66町に住む早季は「呪力」と呼ばれる超能力の発現により、呪力の扱いを学ぶ学校に通い始める。早季を含む5人は夏季キャンプへ向かうが、周囲では不穏な空気が漂い始めていた。やがて、14歳を迎えた早季たちだったが、瞬が行方不明となってしまい…。
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見どころ
同名小説を原作に、幼少期から青年期まで、主人公たちの成長を3部構成で描く。異種族の秘密や人類のたどった悲劇的歴史など重厚な世界観が物語に深みを与えている。
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おすすめポイント
この作品を見る年代、誰の視点で見るか、何を主軸として理解するのか、この3点によって捉え方、感じ方が大きく変わる作品。一言でいうなら、「本当に名作」
ジャンルとしては「SF・ファンタジー・ホラー」の部類に入ると思います。ただホラーと言っても「グロさ」など安易な怖さを見せつけるのではなく、人間という人の心、精神、行動、感情など、人は「獣」「動物」という部類なんだと実感させられる。
私達が今いる世界を見ると、人間は食物連鎖の頂点に君臨し、家畜を飼育し、農作物を育てている。
「人」という「種」がこの世界の他の生物から見たら「神」だと認識されてもおかしくないような振る舞いをしている。
また、「人間」という「種」の社会の中だけでも優劣、差別、忖度、間引き、が見える形で行われている。
雇う人、雇われる人、従わせる人、従う人、搾取する人、搾取される人というように、実は見えない形でランク付けされていたり、その状態に抗ったり、受け入れたり、さまざまな感情と状況とともに歪に社会が形成されている。
そういった歪な社会が蔓延し、アンコントロールな状態になるとどうなるのか?
革命、戦争、政権交代、権力講師、国家設立、そういった繰り返しが歴史である。
そしてこのアニメ、新世界よりは1,000前の世界と1,000年後の世界がオーバーラップしながら話が展開していく。1,000年後と言っても近未来的な世界ではない。
この世界で生きている人間は「呪力」を持ち、選ばれし者たちとして他の種を従え、「神様」と敬われて暮らしている。本当に小さなコミュニティ、ユートピアの世界。ゆえにその世界の中では普通に学園生活が行われ、友情、恋愛、喜怒哀楽が溢れ平和に暮らしている・・・・ように見えていた。見えるようにコントロールされていた。そうしなければならなかった。
誰が?なぜ?その理由は?そうする必要がなぜあるのか?
少年少女がとある遠足で知ったこの世界の成り立ち、真実をキッカケに、平和な日常が崩壊へと向かっていく。1〜3話までの緩やかな展開とはスピード感、緊迫感が明らかに変化し、物語は伏線を散りばめながら深層へと向かってゆく。
繰り返すが、この作品を見てどう思うのか?は序盤で書いた「見る年代・誰の視点・どんな解釈」で大きく違う。もしかしたら10代の時に見て「胸糞悪い・・・」と思う人もいるかもしれないし、もっと年齢を重ねてから見直してみて、「本当に考えさせられた、生き方を変えたい」と思う人もいるかもしれない。
まさにこの作品は「偽りの神に抗え。」という言葉にふさわしいと思う。だれを神と捉えるのか?それは現実世界でも同じ。だからこそ奥深く、自身の知見が深まれば深まるほど味わいのある作品に変わっていくのだと思う。本当にこの作品をアニメ化し、誰にでも見やすい形にしてくれた皆さんに感謝したい。そしてもっと深みにハマって行きたい方は、ぜひ小説3部作をオススメしたい。また別なモノとして深く楽しめるでしょう。
すべてを見終わった後、ドヴォルザークの曲が頭から離れられなくなります・・・。夜見ると怖いかも。
評価: 5作品の説明には「偽りの神に抗え。」とだけ書かれてありますが、全話を観終わった今、このメッセージについて考えると、何というか、鳥肌が立つような気持ちです。
主人公である早季が成長するにつれ、自身が生きる世界の姿を知っていき、「何が正しい事なのか」と葛藤する様子が細やかに描かれていました。
また、作品を彩る音楽や声優の演技は素晴らしいものでした。特に演出は、本当にゾクっとさせられるもので、ただ怖いだけでなく、早季をはじめとする登場人物が感じたであろう恐怖感が味わえる、見事なものだったと思います。
1話〜3話は意味の分からない事も多く、やめようかと思いましたが、4話からはストーリーがつかめてきて、おもしろくなっていき、気づけば最終話でした。
観たら間違えなく忘れられなくなる作品だと思います。
- キャスト/スタッフ
- [キャスト]
渡辺早季:種田梨沙/朝比奈覚:東條加那子/秋月真里亜:花澤香菜/伊東守:工藤晴香/青沼瞬:藤堂真衣/朝比奈覚(14歳):梶裕貴/伊東守(14歳):高城元気/青沼瞬(14歳):村瀬歩/スクィーラ:浪川大輔/奇狼丸:平田広明
[スタッフ]監督:石浜真史/助監督:ヤマトナオミチ/シリーズ構成:十川誠志/トータルデザインコンセプト:長澤 真/オリジナルキャラクターデザイン:依り/メインキャラクターデザイン:久保田誓/色彩設計:安部なぎさ/美術監督:山根左帆/音楽:小森茂生/主題歌:「割れたリンゴ」(ポニーキャニオン)歌:渡辺早季(CV:種田梨沙)・「雪に咲く花」(ポニーキャニオン)歌:秋月真理亜(CV:花澤香菜)
[製作年]2012年
(C)貴志祐介・講談社/「新世界より」製作委員会
みんなの感想ツイート
「新世界より」視聴終了!
色々考えさせられる作品だった。これはもっと注目されるべき。
世界観と終始一貫して感じる怖い雰囲気がすごすぎる!
作画崩壊とか言われてるけどあれは雰囲気を出すための描写で、このアニメには合ってると思う。
1つ疑問があるので見た人リプで教えてください#新世界より pic.twitter.com/oDNiuJhMYx— あきすての (@gSKGGD3kcXyEFw3) April 9, 2020
新世界より
先に言っときます。
僕の語彙力と知能ではこのアニメを言い表せないです。
まず、僕の意見としてはスクィーラの最後の言葉が頭から離れません。。
「私たちは人間だ!」
この言葉を最初に聞いた時は少し戸惑っただけでしたが、その後の早季と覚の会話で全て察しました。#新世界より
↓続き pic.twitter.com/4lz5d8s0LP— 時々暇人 (@tokidoki_hima) April 13, 2020
同姓間の極大感情で思い出すのは貴志祐介さんの「新世界より」っていう小説ですね。1000年後の日本を舞台とするSF作品で、アニメ化もされました。ちょっとでも気になった人は本屋かアマプラで是非見て欲しい! pic.twitter.com/Sln8M1lbcv
— 桜木 (@sa9rag1sl) April 14, 2020
ソルと「新世界より」見てた( ´▽`)ノ
今いる自分達の世界の常識だったり、概念が全く違うからか
アニメの進行や展開すらも、いきなりえっ?ってなったりする楽しみ方は人それぞれだけど、この作品はまじですげえ。
わかる人にはわかるはず
小説をこのアニメにした技術はレベチ pic.twitter.com/MDtbz8ukJN— Raize_B (@maruBathu1234) April 14, 2020
どうぶつの森したいのに、昨日から『新世界より』ってアニメ見始めたら止まんなくなっちゃって、全然始められない😭
めっちゃ面白い😭✨
— 阿部乃みく@大天使ミクエル (@abenomiku) April 13, 2020
今日の日替わりおすすめアニメ↓
『新世界より』
1000年後の未来の日本を描いた作品
原作は小説。未来を描いていると言っても、一般的にイメージする未来像とはだいぶ違った世界の物語
とにかく謎が多いが、世界の謎がだんだんと明らかになるにつれ面白さが増していく作品#日替わりおすすめアニメ
— 夏川恵@サブカル廃人 (@natukawaK) April 15, 2020
原作者インタビュー動画
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