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十二国記

異世界ファンタジー作ですが過酷で泥臭く、混沌や絶望感が漂う王政国家が舞台。別世界で突如”王”と任命された元女子高生の主人公・陽子が、この厳しい世界や人間たちと向き合い成長していく骨太の物語です。

壮大な骨太の異世界歴史物語、ここにあり!『十二国記』

十二国記
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十二国記
©小野不由美・講談社/NHK・NEP

普通の女子高生・中嶋陽子の前に現れた謎の青年・ケイキ。ケイキは「陽子を探していた」と告げ、強引に異世界に連れてきてしまう。しかし、突然の妖魔の襲撃に遭い、ケイキと陽子ははぐれることに。陽子は異世界で己の運命も知らぬまま生きていくことになる。
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十二国記
©小野不由美・講談社/NHK・NEP

見どころ

小野不由美のファンタジー小説を原作とした壮大なスケールで描かれる大河作品。主人公・陽子の生き方や成長を丁寧に描いており、海外での放映でも高い評価を得ている。
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アニマの感想・おすすめポイント

2002年のアニメですので映像美や迫力のあるアクションに物足りなさを感じるかもしれませんが、このアニメの見どころは壮大な世界観と、人の心の深さをリアルに表現している骨太のストーリーです。

十二国記
©小野不由美・講談社/NHK・NEP

主人公の陽子は周りの目ばかり気にして皆によく見られたいと思っている”良い子”。学級委員長、成績優秀、親や先生の言うことはしっかり聞く。一見すると優等生ですが、その行動すべては「彼女の本当の意思」ではなかった。

そんな自分の意思で決定して生きてきたことがない陽子が、異世界で王に任命され、国と民を背負い、国を作らなければならないという使命が与えられる。昨日まで女子高生だった彼女は当然そんなことができるはずもなく、様々な出来事に飲み込まれていく。

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

12国あるうちの1国を統べる王。王がいなければ国は荒廃する。陽子が王にならなければ民はさらに苦しむ。厳しい現実を目の当たりにしながら、自分の心と見つめ合い、戦い、少しずつ陽子が成長してく姿は生々しさを感じます。順調に主人公が成長していくような安心安全の流れではなく、何度も自分の心や意思決定を疑い苦しみながら変化していく様子が非常に学び深いです。以前いた世界のように、皆に良い顔ばかりしていては意思決定が振り回され、最終的に曖昧な判断は”民”に影響を及ぼしてしまう。王は”決めること”が仕事。しかしその”決める判断軸”がなければ自分の意志で決めることができない。

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

絶望、裏切り、失われる命など、苦しい葛藤に揉まれながらも、信頼できる仲間に支えられながら1人の王として成長していく姿は非常に泥臭い。決してキラキラしているような道ではないため、とても陽子のことを身近に感じて応援したくなります。ネズミの半獣・楽俊が本当に素晴らしい。

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

また、物語は陽子が王となる国だけではなく、12国のうちのいくつかの王や国へフォーカスされる。国を荒廃させる王もいれば、国を見事に富ませている王もいる。彼ら各々の国作りや、トップとしての意思決定は結果として国に現れてくるので、数年、数十年、数百年積み重ねた王の数々の意思決定=結果を疑似体験することができるでしょう。

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

アニメは45話もありますが、2020年現在も原作は未完で、この壮大なストーリーはまだまだ続きます。アニメは原作にないオリジナルな部分も加えてありますが、原作者と話し合い丁寧に作られたそうです。そのためアニメだけを見ても見ごたえある仕上がりになっています。

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

派手な演出等はありませんが、まるで壮大な小説を読み終えたような充実感を味わえるアニメでした。異世界に来て、誰にも頼ることもできず自分のことも信じられなかった陽子が、王となると意思決定し、初めて自信を持って意思を伝えるシーンは見ごたえがあります。長いストーリーですが、各章数テーマごとまとまっていて見やすいと思います。人名や地域が聞き慣れない名前ですので、かなり間を開けながら視聴してしまうと、ストーリーがつかみにくくなってしまいますので、できれば最低でも週1,2話のペースでの視聴をオススメします。

時がたっても色褪せない骨太の歴史異世界ファンタジーをお楽しみください。

Amazonレビュー

評価: 5原作の小説が大好きで何度も読み直したものです。本作はさすがNHKと唸らざるを得ない完成度に、原作ファンでも納得です。絵が残念だとかいう評価を見ますが、原作ファンは絵を愛でたい訳じゃありませんからw
なぜ主人公はどこにでもいるような女子高生なのか。視聴者は、自分自身に近しい主人公に共感をし、また自身の弱さを責められているような感覚を覚えます。物語が進むごとに陽子は、視聴者の理想の主人公へと成長していきます。それは最初の共感と相まって視聴者に爽快感を与えてくれる。不甲斐ない自分から理想の王たる自分の疑似体験ですね。
世界観はとにかく壮大。12の国に12の物語が存在することを匂わせています。国家とは何か、国を治めるとは何か、を常に問う作りも素晴らしい。
視聴者受けを狙った安っぽいアニメばかりが蔓延る昨今。それに辟易してる人はぜひ視聴をお勧めします。

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キャスト/スタッフ
[キャスト]

中嶋 陽子:久川 綾/杉本 優香:石津 彩/浅野 郁也:上田 祐司/楽 俊:鈴村 健一/景 麒:子安 武人/尚 隆:相沢 正輝/六 太:山口 勝平/蒼 猿:岡野 浩介

[スタッフ]

原作:小野不由美/キャラクター原案:山田 章博/脚色:會川  昇/キャラクターデザイン:田中比呂人、楠本 祐子/コンセプトデザイン:森木 靖泰、宮本 治雄、若林 厚史、清水 恵子/美術監督:東  潤一/撮影監督:松本 敦穂/色彩設計:佐藤 祐子/音楽:梁  邦彦/音響監督:柏倉ツトム/オープニングテーマ:「十二幻夢曲」/作編曲:梁  邦彦/編集:森田 清次、山岸 由佳/アニメーション制作:ぴえろ/アニメーションプロデューサー:本間 道幸、押切 万耀/プロデュ-サ-:末川  研/制作統括:渡辺 俊雄、吉國  勲、柏木 敦子、冨永 慎一/監督:小林 常夫

[製作年]

2002年

©小野不由美・講談社/NHK・NEP

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